あなたの周りには あなたの努力を知っている人が、必ずいる。

「バス遅いですよね?」

隣にいた年配の男性に話しかけられた。

 

少し心配そうな声の奥に、苛立ちの気配を感じた。

 

私とその男性は、バスを待っていた。

時刻表に書いてある時間を過ぎても
まだ到着する気配すら無かった。

 

私が乗る方面のバスは
めったに遅れる事がない。

 

だが年末年始や年度末など、いわゆる繁忙期に
遅れる事がある。

しかし、それも稀だ。

なのにこの日は、えらく遅れていた。

 

あー、年度末だから遅れてるのかなー。
今日は休日だから、渋滞してるんだろうなー。

そんな事を考えつつ、呑気にバスを待っていた
その時、男性から声を掛けられたのだ。

 
そうですね、道混んでるんでしょうかね。

私はそう返事をして、バスが到着するのを待った。

 

こんな時は焦っても仕方がないし
本当に急いでいるなら、バス乗り場の隣で
待っているタクシーに乗ればいいだけ。

でもこの日は、そこまで急いでなかったし
待つのも苦痛ではなかったのだ。

 

しかし、バスを待っている間に
私に話しかけた男性は、どんどん苛立っていく。

ソワソワと動き出したり
時計と時刻表を交互に見たり。

 

大分とイライラしてるな、と思った時
やっとバスが到着した。

珍しく10分程の遅れだ。

 

運転手さんも遅れを気にしていたのだろう。
心なしか、バスが焦って停車したように見えた。

バスに乗り、発車を待つ間。

私に話かけた男性が
「このバスは15分発ですよね?」 と
運転手さんに確認していた。

その声はトゲトゲしく、苛立ちがはっきり感じ取れた。

 

バスは慌ただしく発車し
遅れたお詫びのアナウンスが、車内に流れた。

運転手さんも、遅れを気にしているのか
心なしか、運転に急ぎを感じられた。

決して、荒いのではない。

何となく、そう感じたのだ。

 

でも遅れたのは、運転手さんのせいなのか?

運転手さんが悪いのだろうか?

 

渋滞に巻き込まれたのは
バスの運転手さんのせいではない。

もちろん、渋滞を起こそうとした人もいないだろう。

そして苛ついた男性も、急いでいたり
何らかの理由で早く、移動したかったのだろう。

 

結局のところ、誰も悪くないのだ。
運転手さんの焦りを感じながら
私はあることに気がついた。

 

自分がプレッシャーを感じていたり
結果がなかなか出なくて焦っていても
やる事をちゃんとやっていれば
見ている人はいるんだな、と。

 

頑張って、色んなことをやってみたが
思ったように結果が出ない。

あなたには、そんな経験があるだろうか?

 

そんな時は苦しんだり、悩んだり
どうにかして結果を出そう、とするだろう。

だけども何らかの理由で、結果が出なかったり
周囲の状況や環境などが理由で、叶わないこともある。

そんな時は、悔しかったり悲しかったり
虚しさを感じるかも知れないし
実際私も、そういう経験を何度もしている。

 

だけど、あなたの周りには
あなたの努力を知っている人が、必ずいる。

あなたがやっている事を、しっかり見ている人がいる。

そして、誰かが見ているから やるのではなく
自分が必死に打ち込めば打ち込むほど
意外と見られているのだ。

 

逆に見られていないから、と手を抜いていると
そういう所もしっかり、見られていたりする。

 

自分のやるべき事に集中していれば
それを解ってくれる人は、必ずいるのだ。

 

そこに言葉はなくても。

私が運転手さんの運転から気づいたように。

バスが私の降りるバス停で止まった。

 

降りる時にいつもより、感謝を込めて
「ありがとう」と声を掛ける。

 

ちゃんと知っているよ、見ていたよ。

そうエールを送るように。

 

あなたにも、あなたの努力を知っている人
見ている人が必ずいる。

 

あなたが本気でやっているのであれば
それは必ず、周りにも伝わる。

 

そして、それに気づいたとき。

あなたは自分のやってきたことが
無駄では無かったのを知るだろう。

 

それこそが、あなたの救いになるのだ。

 

 

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